適応指導教室(教育支援センター)フリースクールはよく聞きますよね。
不登校特例校って聞いたことがありますか?
理想の学校ってどんな学校を思い浮かべますか?
2023/8/31 不登校特例校⇒学びの多様化学校 に名称変更と発表。
「不登校」と言う言葉がなくなっていくといいね。その1歩かな。
不登校特例校とはどんな学校?全国でどれぐらいあるの?
不登校や不登校傾向にある子どもに配慮し、文部科学大臣が認可した学校です。
他の学校と違い、特別な学習指導要領、授業業時数など オリジナルの教育課程で行われています。
学習指導要領にとらわれず、不登校生の実態に配慮した特別な教育課程をもつ学校。正式名は「不登校児童生徒を対象とする特別の教育課程を編成して教育を実施する学校」で、文部科学大臣が指定する。構造改革特区での規制緩和の一環として、2004年(平成16)に東京都八王子市の高尾山(たかおさん)学園に初めて導入され、2005年に学校教育法施行規則改正で制度化されて全国に広がった。学習指導要領の規定に縛られず、不登校の児童・生徒にあったカリキュラムを整えており、(1)年間総授業時間を750時間~770時間程度と規定より1~2割抑える、(2)習熟度別や学年の枠を超えたクラス編成をする、(3)体験型学習、校外学習、ボランティア活動に力を入れる、(4)教室に入るのが苦手な子供に適した小グループ指導や個別学習の時間を設ける、(5)専任教員の増員やスクールカウンセラーを設置する、などの柔軟な対応をとる特例校が多い。都道府県や市町村の枠を超え、遠方から入学する児童・生徒が多いという特徴をもつ。
引用元:コトバンク
平成16年~開校、令和6年現在指定を受けている学校は全国で全国で35校(公立21、私立14校)
下記のブログに中学の不登校特例校が一覧でまとめられています。
他にもメタバース登校など参考になる記事があります。
実際にお子さんが不登校特例校に入学された体験談です
不登校になった子が通いやすい配慮がされている国指定の学校で、少人数、個別の指導など配慮がされています。
適応指導教室やフリースクールは自習、自由活動が多いですが、ここは学校と同じような授業をします。
国指定ですが、公立と私立があります。最近は公立も増えつつありますね。
「教室が怖い」と言った子が毎日元気に通っている記事です。
起立性調節障害の子のことも考えて午後から開始。給食もない。
在籍数は17人と少人数。これだったら、通えるんじゃないだろうか。
そう思って調べたのがきっかけです。
ただ、冷静に考えれば、この記事の学校は17人。狭き門なんですよね。
不登校特例校の全日制普通科高校「西濃学園高校」が開校
宮城県白石市は2023/4 公立では東北初となる小中一貫の不登校特例校の新設予定。
2026年4月開校予定。愛知県立日進高校、公立の中高一貫校で全国初となります。
公立で、市に1つぐらいのレベルで増えたら選択肢が増えてきますね。
【追記】2023/3/8
「不登校特例校」を5年後までにすべての都道府県や政令指定都市に設置。
全国で300校設置することを目標とすることを発表しました。
夜間中学校について
起立性調節障害の子どもは定時制高校のように午後からの中学があれば通えます。
昼夜逆転の子も行きやすくなります。
公立の夜間中学は全国に40校ありますが、卒業している年齢の人が行く中学で、基本的に今、現役の中学生は行っていません。
【追記】2022/10 正式に香川県で高瀬中学校で現役の不登校の中学生を受け入れました。
全国初となります。公立の夜間中学、不登校特例校です
不登校の中学生の受け入れにあたっては、全国の公立夜間中学で初めて「不登校特例校」の指定を受けた。自律神経の乱れから朝起きられなくなる起立性調節障害など、様々な事情で昼間の中学に通えなくなった生徒の選択肢の一つになれればとの狙いがある。
文部科学省の夜間中学の設置促進について引用しました。
不登校となっている学齢生徒
現在不登校となっている学齢生徒も、本人の希望を尊重した上で、在籍校に籍を残したまま、教育支援センター、フリースクールなどと同様に支援を行うことが可能です。在籍校で指導要録上の出席扱いとできる場合があります。
(令和元年10月通知「不登校児童生徒への支援の在り方について」参照)引用元:文部科学省
上記のほか、不登校となっている学齢生徒を夜間中学で受け入れる場合は、不登校特例校の申請が必要です。その際には、学校見学を実施するなどして、夜間中学に対する保護者や本人の理解を十分に得るなどの配慮が必要です。
今の学校にはどうしても通えない。でも、少しやり方を変えれば通えるようになる子もいます。
この報告書では、不登校特例校、夜間中学との連携となっています。
校内フリースクール
校内に作る新しい形のフリースクールです。支援級とは別です。
家でもなく、教室でもない、その真ん中にある存在と言っています。
特認校について
100人以下の小規模特認校、自然豊かで少人数、独自のカリキュラムなら通える子もいます。
バーバパパのがっこう、理想の学校とは?
絵本「バーバパパのがっこう」を読んだことがありますか?
バーバパパえほんシリーズの1冊です。
今、手元に置きながら、この記事を書いています。
私はもう50代ですが、子どもの頃の本ですね。懐かしいです。この本持っています。
なぜ、急にこの本の話をしだしたかと言うと、この中にでてくる学校が私にとっての「理想の学校」だからです。
上記のマップの中の2021年4月開校の草潤(そうじゅん)中学校。
東海3県初の公立の不登校特例校の中学校です。学校説明会には定員40名にその3倍の親子が参加。
それだけ、不登校の子は多く、このような学校を待ち望んでいたことがわかります。
この学校の特徴は毎日、週に2.3日でも、オンライン学習もできて通学しなくてもいい。
担任は生徒が選ぶ。校則、制服、給食もない。
好きな科目を選択でき、それぞれの子に応じてカリキュラムを作成できる。
岐阜大学大学院教授の加藤善一郎氏が「こころの校医」を務めています。
起立性調節障害にも理解があります。
通信制高校に似ていますね。中学校では今までにない画期的なシステムです。
中学まで不登校でも、高校からは通えるようになる子達が多くいます。
それは、選択肢が広がるから。高校からではなく、中学から「選択肢」が増えます。
その草潤中学校の除幕式のスピーチで「バーバパパのがっこう」の話が出てきます。
草潤中学校のスピーチ全文
スピーチをしたのは、京都大学総合博物館准教授 塩瀬隆之教授です。
学校がこんな楽しい場所であれば、個性を尊重する場所であれば、こんな先生だったら・・・。
楽しそうに通う子ども達の姿を想像しました。
ぜひ、多くの方に このスピーチを読んでほしい。
私も読みなおしたいのでここに残します。
下記に全文を引用します。
早川教育長よりこのような機会をいただき、まことにありがとうございます。
私が最初に早川教育長から、「塩瀬さん、理想の学校ってどんな学校だと思うか?」と聞かれたとき、即答したのが、「『バーバパパのがっこう』のような学校」でした。
この絵本の話を少し紹介させてください。
これはフランスの小学校のお話なんですけれども、学級崩壊が起きそうなときに、親御さんや市長さんが、「おまわりさんをつけてでもいいので、学校にしばりつけて勉強をさせないといけない」と言いだすところからスタートします。
それを見かねたバーバパパが、皆を森の学校へ連れ出します。
バーバパパには個性豊かな家族がいるので、子どもたちの好きなことに合わせて、いろんなことを教えることができます。
歌を歌うのが好きな子ども、自然観察が好きな子ども、機械いじりが好きな子ども、みんなそれぞれ夢中になるものが違います。
好きになったことを突き詰めると、その先に分からないことがあっても、さらに知りたいと思えるのです。
その瞬間こそが、まさに勉強したいと思う瞬間で、このときに学校の先生が戻ってくると、以前と同じ算数の授業をしたとしても、子どもたちの食いつき方が違ってきます。
そのような瞬間こそが、子どもたちにとっての学びの場なのです。
半信半疑だった市長も親御さんも、変化した子どもたちの姿を信じて、バーバパパの学校に子どもたちを預けたいと思うようになります。
こんな学校こそが、もしかすると理想の学校かも知れない。
それが、私が早川教育長にお話ししたことです。
ここで大切なことは、子どもたち自身が学びを選ぶということです。
重要なのは「学びの選択肢がたくさんある」こと。
私が、世界中、それから日本中、理想的な学校がどういうところなのかというのを調べる中で、魅力的な学校に共通すると感じることがあります。
それは、「学びの選択肢がたくさんある」ことです。
好きな場所で学ぶことができたり、好きなことを学ぶことができたり、学ぶ内容を選べたり、さらには学びの設計図である「時間割」を先生と一緒につくることができる学校こそが、子どもたちにとって本当によい学校なのではないか、と思うようになりました。
しかし、子どもたちがこれを選ぶというのはなかなかに難しく、しかも、そういう環境はほとんどありません。
大人は、時間割も、教室も、担任の先生も、9教科も、よかれと思って子どもたちに与えます。
子どもたちに必要だと思うから与えるのです。
でもこれを子どもたち自身が自分で選べるチャンスというのは、どうすれば作ることができるのか。
みんな同じように同じペースで学ばないといけない、これができることが、大人になるために必要だと大人は考えます。
そのためには我慢をしないといけないし、耐えなければならない。しかし、本当にそうでしょうか。
我慢して、耐えることだけが、子どもたちに必要なことで、これを6・3・3の12年間、さらに4年間足して16年間耐え続けられた人だけが大人になれるのでしょうか。
私は、そうでない場所を作ることが大事だと思います。
子どもたちが勘違いしている言葉の一つに、「義務教育」という言葉があります。
子どもたちのほとんどは、学校に行かなければいけない義務だと感じています。
どんなに苦しくても、どんなにしんどくても、行かなければいけないのが義務教育だと勘違いをしています。
大人はここで声を大きくして、それが間違いであることを伝えないといけないと思います。
子どもたちが持っているのは「学習権」です。
学びたいと考えたときに、学んでいいという権利です。
義務を負っているのは大人で、その子どもたちが学びたいと言ったときに、学ぶ方法すべてを提供しなければなりません。
教室の中に、正方形のタイルのようにまっすぐ並ぶことのできた子だけが学んでいいという、そういう条件付きの学びではなく。
子どもたち、いつ、どこで、だれと、なにを学びたいのか、そのすべてを選んでもいいはずで、その環境を提供できることこそが、大人に課せられた使命だと思います。
そういう意味で、この草潤中学校を作られた皆さんは、ものすごいハードルを乗り越えてこの場を作られたのだと思います。
この理想的な学びを実現するということは非常に難しいことで、これまでのご準備をされてきた関係者のご尽力に敬意を表したいと思いますし、こういう場所を地元の皆さんと一緒に作られたということ自体が素晴らしいことだと思います。
先ほどの学びもそうですけれども、自分で選んで自分で学んだことは決して忘れないのだと思います。
この学校自身も、子どもたちが学ぶ場所を地元の皆さんと一緒に作れるということ自体が、この街の中で忘れられない学校を作るという意味ですごく大事なことだと思います。
いま学校現場は、たくさんのことを要求されています。グローバル人材、スーパーサイエンス、SDGsさらにプログラミング。
これを全部できたら、スーパーマンにしかならないですよね。そんな大人は町の中に何人いるのでしょうか。
そんな大人が見当たらないにも関わらず、なぜかみな、学校にたくさんのことを要求してしまいます。
すべてを学校にやらせすぎな気がします。
学校がやるべきことは、子どもたちの学びの機会を奪わないことです。
子どもたちが学びたいと思ったときに、学べるような環境を用意することだけが唯一、学校に課せられた使命です。
学びを嫌いにさせるのはもってのほか、絶望しそうになったときに学びを諦めない、そんな子どもたちに育つ場所が学校なのだと思います。
そういう意味で、この草潤中学校は、子どもたちにとっての学びを守る、当たり前だけれども、それでいてすごく難しいことに挑戦してくださっている、すごい学校だと思います。
これが北欧やシンガポールのような教育先進国でもなく、日本の真ん中にある岐阜市の自治体が作った公立の学校ということが、もっとも重要なことだと思っています。
公立でこれが実現できるということは、ここが特別な学校ではなく、本当に誰でもどの地域にでも、すべての子どもたちが受ける権利を守れる学校の在り方が示されたと思っています。
この学校がチャレンジすることに対しては、まだ戸惑いもあるし、すぐ結果が出るかはわかりません。
しかし、ぜひ温かく見守っていただきまして、ここで育った子どもたちが、本当に学ぶことが大事であるということを自信をもって言えるような時間をぜひ待ってあげていただきたいと思います。
「待つ」ということが大事だと思うので、ぜひ皆さんもご協力いただけたらと思います。
引用元:Forbes JAPAN 岐阜市に「不登校児専門公立中」開校。除幕式で会場を涙させた京大准教授のスピーチ
こんな学校が、この考え方が増えていったらいいなと思いました。