不登校の体験談とその後の生活|親御さんにメッセージ~我が子への愛情を~
不登校を経験したご本人が大人になってから語ってくださった体験談です。
発達障害について、そして、不登校の子の親御さんに向けてメッセージも書かれています。そのまま掲載します。
私の場合、不登校の期間は長く、正確には覚えていませんが、小学校のあたりからは不登校でした。
当時の気持ちは正直なところ、分からないことがあまりに多過ぎてぐちゃぐちゃでした。
そして、特に教師との折衝によって頻繁に泣いていました。
成人以降に発覚したのですが、不登校の根本的な原因は、私の発達障害から起因する環境への不適合からでした。
具体的には宿題を提出できない、時間を守ることができないといったようなことです。
私は能力的にそれらが行えなかったのですが、教師たちは精神的問題だとして責めたてたのです。
私はこの時の体験によって深く自尊心を傷付けられ、成人以降もしばらく自信を喪失した状態となりました。
親御さんにとって我が子の進学はとても重要な問題ですが、場合によってはそれは第一ではないと個人的に思います。
問題は我が子の生きづらさの解消やその助力であり、その後の進学なりの社会適応の方法であると思います。
私は高校までは全日制高校に通い卒業しました。高校の途中、通信制高校へ行くことも検討しましたが、結果的に転校することはなかったです。
なぜそうなったかといえば、私には将来を検討できるほどの余裕がなかったからです。
仕組みなど分からず、もはや通学するだけで疲弊していました。
高校の選び方にしても、気力がなく、発達障害による集中不足で勉強は満足にできなかったため、それでも入れるような公立高校を選択しました。
そして高校の時期に親の離婚が発生したため、兄弟が何人かいることもあり、大学進学は経済的に不可能であり、学校での教師たちなどとの折衝から自信を喪失していた影響で、気づけば社交不安障害という精神疾患も患っており、就職、もはやバイトすら困難な状態でした。
結果的に今は就労継続支援A型事業所というところを転々としています。
私には集団で行動していくスキルが欠けていると思い知らされているので、いまは自営業で働くことを検討し、そのための勉強をしています。
私のケースは以上のようなものですが、不登校や引きこもり自体が何らかの精神疾患に起因しているというのは珍しくないといいます。
そこにばかり注力するべきでもないですが、可能性の一つとして考慮するのは良いと思います。
最後に不登校であった私が、不登校となっているお子さんを持つ方々へメッセージを綴りたいと思います。
「我が子の味方」になってあげてください。「愛して」あげてください。それに尽きます。
恨み言のようになってしまいますが、私の親の場合は、こんな当たり前のことが十分にできなかったのです。
私のために尽くそうとはしてくれたとは思うのですが、どうにも世間体を気にしていたり、そもそもの特性から異質である私を「普通」に矯正しようとしたり、私を思ってくれながらも私自身の本質を認めてくれませんでした。
成人以降に私の発達障害が発覚した折、私は母親へ発達障害のことが載っているパンフレットを手渡しました。しかし母は、それを受け取ってはくれませんでした。
父に至っては、私が高校在学中にギャンブルなどで借金を作り、一時期 蒸発し、その後に離婚しました。
この社会は一回レールからはずれてしまうと、後の生活がどんどん苦しくなっていってしまう傾向があります。
ですが、それでもその人の周りにその人を愛し、真に思ってくれる人間がいるなら大丈夫だと思います。
そして不登校の子ども達に思いやりや愛情を第一に与えることができるのは、その親御さん、保護者の方々に他ならないでしょう。
先の言葉をもう一度書きます。
「我が子の味方」になってあげてください。「愛して」あげてください。
ここからは私の感想になります。
不登校の背景に発達障害があり、二次障害の精神疾患、社会不安障害で大人になってからも苦しんだ体験談です。
娘の不登校のパターンと同じで、読みながら二次障害の深刻さを改めて感じました。
学校の先生に知識がもう少しあれば、指導の仕方も違ってくる。
そしたら、自己否定感がそこまで低くなることもない。特別扱いではなくて、合理的配慮が必要です。
そして、親にも知識があれば。もっと相談先があればと思います。
幼少期の検診で見つからない グレーの場合は、早期療育になかなか繋がれません。
わかれば もっと違った声かけ、接し方ができた。これは、私がずっと思っていることです。
愛情をもって大切に育ててきたつもりですが、今になって気づくこと、反省することは多いです。
発達障害に関しても 受け入れるまでは時間がかかりました。
普通、あたりまえのレールだけを見てきた。視野が狭かった。
二次障害の不安障害で苦しむ姿を見て、やっと何もかも受け入れました。
そうなる前に気づくべきだったんですよね。
改めて考えさせられました。
貴重な体験談、またメッセージをありがとうございました。