以前、鎌倉市の図書館の公式ツイートが話題となりました。
約8万ものいいねがつきました。
もうすぐ二学期。学校が始まるのが死ぬほどつらい子は、学校を休んで図書館へいらっしゃい。マンガもライトノベルもあるよ。一日いても誰も何も言わないよ。9月から学校へ行くくらいなら死んじゃおうと思ったら、逃げ場所に図書館も思い出してね。
— 鎌倉市図書館 (@kamakura_tosyok) August 26, 2015
夏休みの終わりに子ども達に向けたメッセージですね。
18歳以下の子どもが命を絶つことが多いのは、この時期です。
過去約40年間の日別自殺者数を集計した内閣府の自殺対策白書(平成27年版)によると、18歳以下の自殺者は長期の休み明けに急増する傾向がある。最も多いのが夏休みで、春休みやゴールデンウイーク(GW)も増加が目立つ。
引用元:産経新聞 新学期 子供の自殺リスク、コロナで多重化 学校現場に緊張感
図書館が居場所、本が心のよりどころとなる子もいます。
この記事では、不登校の経験の中で、図書館や本について書いてくださった方の体験談を紹介します。
募集したアンケートの中で、図書館の中に不登校の子のスペースを作ってほしいと答えたお母さんがいました。
他の親子と会うこともなく、気兼ねなくいられる場所があるといいですね。
本棚には、優しい言葉やちょっと前向きになれるような本が並んでいて、心の声を書けるようなノートが置いてあったり。
そんな風に思いました。
子ども一人でのトイレの利用には注意が必要です。
そういえば、うちの市もカウンターから離れた場所ですね。
私は、もともと本が好きだったこともあり、家から徒歩20分ほどの場所にある図書館に何度も足を運んでいたことを思い出します。
不登校で悩んでいるお子さんや、親御さんにとって、少しでも子どものためになにかができればと考える気持ちもあると思います。
不登校を経験しているとき、おそらく多くの子どもが「自分の殻」に閉じこもってしまいます。
特に子どもは学校と家は生活のほとんどになるので、学校が行けないことに対して、自分を責めてしまう、自信が持てなくなり自己否定の気持ちが強くなってしまいます。
自分の世界に足を踏み入れてほしくない、また聞かれたくない(聞きたくない)想いから、自分の殻のなかにいるほうが、安心できるのです。
そんな悩みを抱えている子どもにとって、本は知らない世界や感情を伝えてくれる手段でもあります。
私が特に読んでいたのは、村山由佳さんの書籍(天使の卵)や、映画化された青の炎、ハリーポッター(賢者の石)、小さい魔女、西の魔女が死んだ などはシリーズで読んでいました。
1日1冊を目安に毎日本を読んでいたこともあり、とにかく たくさんのことを、本の世界を通して学びました。
特に、世界の中心で愛をさけぶなどの恋愛系の本が流行った時代です。
人間の心情や感情が書かれている本に強く惹かれ、手にとっていたと思います。
主人公が家庭に問題があり、葛藤しながらも向き合っていく姿に考えさせられ、ときには刺激をもらい、生きる希望のようなものにしていたこともあります。
不登校の原因によっても違うのですが、私の場合は家庭環境も影響していたことで、誰にも相談できず、どうにか答えのようなものを、本を通して無意識に探していたのだと思います。
不登校になっているとき、強く惹かれる本には必ず理由があります。本のタイトルやテーマ、文言になにか思うところがある。
ときには、自分と置かれている境遇が似ているなど。なんとなく選んでいる本のなかに、もしかすると感情のヒントがあるのかもしれません。
不登校になったときに、どうしても世界を狭く考えてしまいがちです。目を向ければこれだけ広い世界が広がっているのに、見えなくなり「自分だけ…」と責めてしまいます。
本には、たくさんの可能性があり、いい本に出会うことで子どもの将来を決めるきっかけになることもあります。
読みたいと思える本、何度も読み返したくなる本に出会えると、世界が広がっていくきっかけになるかもしれません。
小学校3年生の時になんとなく周囲の友人といつもつるむような雰囲気が嫌になり、数ヶ月間不登校になりました。
当時、教頭先生が学校に来ない理由などを聞きに自宅まで訪ねてくれるなどしましたが、両親は不登校期間中は特に学校へ行けとうるさく言うこともなく、ただこの時間を利用して本をたくさん読めと本屋や図書館に連れて行ってくれたことを覚えています。
他にも遊園地、動物園といった場所へ行き、そこで遊んだり、スケッチをするなど、自分の好きなことを思うようにする時間として受け入れてくれました。
そうこうしているうちにまた学校へ行くかと言う気持ちになり、再び普通に登校するようになりました。
その後は不登校などになることもなく、中学校へ進学、高校受験をして私立の女子校へ入学、その後 大学受験をして美大に入学し卒業しています。
今になって思えば、不登校だった期間に特に何か言うでもなく、読書なりお絵かきなり、自分の好きなことに没頭することを許してくれ、見守ってくれた両親の器の大きさに改めて驚くとともに感謝しています。
不登校になった時は、子ども心に学校の友達とノリが違う、折り合いが悪いなどの理由はあったんだと思いますが、休んでいる期間中に自分と向き合うことができ、学習は当時流行っていた進研ゼミを利用して自宅学習をしていました。
今はオンライン授業など自宅学習での環境も充実しているので、何も学校へ行って学ぶことだけが全てではないと思います。
周囲との人間関係を学ぶ場として、学校はやはり絶好の学び場なので、お子さん自身が通いたくなれば、また送り出してあげるのが良いと思います。
体験談の中に出てきた一冊です
この本は、娘が不登校になる直前の夏休み、読書感想文に選んだ本でした。
1年以上経ち、また読みたいと言い出した日があります。
主人公が不登校の中学生の女の子で何か感じることがあったようです。
無気力、ゲームや動画ばかり観ていた時期を過ぎた頃、「本を読みたい」とある日 言い出しました。
心が少し元気になってきた頃ですね。
その言葉がすごく嬉しくて、すぐに娘と一緒にブックオフに行き、たくさんの本を買ったことを覚えています。
その後も図書館に足を運びました。
家が安心できる場所ではない場合、図書館も居場所となります。
家庭環境が原因の子、不登校に理解のない家庭の子もいます。
コロナで休校となり、図書館まで閉鎖された時に心配されたんですよね。
適応指導教室やフリースクールのような居場所だけではなくて、図書館のような、無料で ふらっと好きな時間に立ち寄れるような場所ってすごく貴重だと思います。
このツイートも反響がありました。
40歳おっさん記者、かつて不登校でした。不登校は当時6万人ぐらい。大人になれば誰しもぼちぼち生きています。学校行っても行かなくても人生はいろいろ大変で。だから知ってほしい。人が成長する場所は学校だけではない。(記事ぱちりツイートはやめてほしい派ですがこの記事だけはいいことに…) pic.twitter.com/Yij7PjOMKJ
— 太田 泉生(朝日新聞横浜総局) (@otaminao) August 24, 2017
みなさんは、人生を変えるような出会いの本はありますか?
最近は電子書籍が増えてきましたが、紙の本って落ち着くんですよね。
本屋さん、図書館の本棚が好きです。漫画喫茶もいいですね。
子どもの頃、たくさんの中から本を選ぶのが楽しかったです。自分にとっては夢のような場所でした。
子どもたちにとって、堂々と行ける楽しい居場所が増えるといいですね。
夏休み明け、悲しいニュースがないことを祈っています。娘が不登校となってから、この時期が怖いです。
生きることのほうがつらくなってしまうんですよね。
近くにいて助けてあげられなくて無責任な言葉だけど、
それでもどうかどうか生きていてほしい。
\無料で絵本の試し読みができる/
当サイトでは他にも多くの体験談を募集、紹介しています。