通信制高校の公立と私立の特徴を比較|メリット、デメリットまとめ
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通信制高校に公立ってあるの?
よく聞く有名な高校は全部私立ですよね。合同説明会に参加している高校は私立です。
なので、私立のイメージが強いですが公立の通信制高校もあります。
娘は私立の通信制高校に通っています。でも、まず最初に公立を調べました。
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圧倒的に安いんだよね。
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そうなんです。でも、学費だけではなく、いろいろと違うんです。
この記事では、公立と私立を比較して感じたことを書きました。
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ちなみに、公立の定時制は思ったより多いです。
例えば愛知県だと、令和5年現在、通信制高校が2校ですが、定時制高校は30の公立高校に設置されています。
通信制が少ないんですよね。
公立と私立の通信制高校数の差と歴史について
だいたい平均して各都道府県に1~2校あります。一応、全国にあるんです。
こちらの記事にまとめました。
通信制高校生は増え続けて21万人を超えました。
15人に1人とも言われています。中学校1クラスに2人ぐらいです。
2021年には通信制高校は260校もあります。そのうち私立が180校以上で7割です。
(2023年には288校に)
近年、私立の広域通信制高校、キャンパスはニーズにあわせて増えていますが、公立の高校はほとんど増えてません。
歴史は私立よりも公立の方がはるかにあります。
自分が知らなかっただけで、制度はもう何十年も前からあるんですよね。
もともと働きながら通う生徒を想定していました。
小さなお子さんがいる生徒のために託児所・託児室が併設している高校もあります。
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この流れが今の公立通信制高校にもあります。
(大学や専門学校に進学している子もいます。)
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誰でも入学できない?見学会とパンフレット請求について
私の住んでいる県には2つの公立通信制高校があります。
入試は私立と同じで、作文と面接、そして書類審査です。
生徒数も多く、検討した高校は全校で800人ほどでした。
なので、誰でも入れると言えば入れるんですが、入学できる都道府県が決まっています。
ネットコース、まとめて合宿タイプのスクーリングではなく、登校日がある程度決まっています。
自宅から定期的に通える場所になければ無理なんですよね。
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県内の1校が通える範囲にあったので調べました。
個別相談会は中学校を通しての申し込みで事前指導もありとなっていました。
学校を通すとなると、子どものタイミングで気軽に行けないんですよね。
その点、私立はオンライン相談会なども随時開催していますし、参加しやすくなっています。
パンフレットは、公立の一括請求サイトはないので、ホームページもしくは電話で問い合わせします。
公式ページだけの情報で娘に話ましたが、娘が興味を持ちませんでした。
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私も公立は娘には合わないと思いました。
次から、そう思った理由をもう少し詳しく書きます。
ここからは、私の県にある公立の通信制高校を検討した感想です。
その後、下記の記事を書く際に、全国の公立通信制高校を1校ずつホームページで確認しました。
公立も変わってきています。ここだったらと思える高校もありました。
住んでいる地域によりますね。
公立通信制高校の特徴
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単位制で、単位認定試験までの流れは私立と同じ。
高校卒業資格も全日制と同じです。偏差値もありません。
入試についてですが、公立の場合、不合格だった話も時々聞きました。
入学と卒業について
私の住まいにある公立通信制高校は、原則4年卒業のスケジュールで、つめこめば3年でも卒業できるとなっていました。
今は3年以上となっている高校が増えています(卒業年数と年間単位数を確認してください)
また、私立のように転入、編入が随時ではなく4月と秋のみの高校も多いです。
私立だと転入後に一気に単位取ることも可能。2.3年で多くとったり、計画も融通がききます。
同級生と同じ時期に卒業しやすくなります。ここにこだわる子も多いです。
卒業率が低く、卒業後の進路の決定率も低めです。
公立は約4割の卒業率です。私立だと9割近くになります。
さらに、気になるのが卒業者の数の進路の4割が「その他」となっていました。
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どうして卒業率や進路決定率にそんなに差があるの?
サポートについて
フォロー体制があまりありません。この安さの学費でそこまで求めてはいけないですよね。
私立はなんとかして卒業させようとしてくれる。親も高いお金を無駄にしたくないです。
でも、公立は自分の意思で高校卒業資格を取りに行くんです。もっと自己管理が求められます。
レポート、単位認定試験も私立よりは難しいと言われています。
学校によりますが、私立はマークシート・選択式、公立は記述式が多い印象です。
救済措置など融通がききやすいのは私立です。
スクーリングや学校行事、生徒の年齢層
スクーリングは月に2.3日で主に日曜日に固定されています。
私立のように進学コースや特別コースがある高校もあまりないです。
時間割を見ましたが、朝9時から夕方まで6時限、最後にホームルームでした。
全日制高校のスケジュールと似ていますよね。
体育祭や文化祭もありますし、部活もあります。
行事はたくさんの中から選択するという感じではないです。
仕事をしている方でも無理なく通えるようになっています。
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60歳以上の人もいます。子どもがいる人も。
体験談の中では、幅広い年齢の人と交流できたことをメリットと感じている人もいました。
中学まで不登校だった子には向いていないと感じた理由
不登校だったのに矛盾していますが、また学校に通いたい。
少ない日数でも、みんなと同じような学校生活がしたい。
行事にも参加したい。できればみんなと同じ学年で卒業したい。
そう思っている娘にとって希望する高校ではなかったんですよね。
それと、教室の雰囲気が中学と似ています。人数が多め。
中学の教室に入れなくなった子には向いてないと思いました。
スクーリングの曜日が固定されていて、その日に行けない。
朝が早め、午後からだけのスクーリングでは科目がとりきれない。
起立性調節障害の子には向いてないと思いました。
そういう意味では定時制の方が向いていますね。
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通信制の多種多様なことが魅力だとしたら、私立となるんですよね。
いくら日数が少なくても、学校が合わなければまた通えない。
ということは卒業できません。高校卒業資格も取れない。
これが候補からはずした理由です。
学費はどれぐらい違う?就学支援金による私立との差の減少
最大のメリットは学費が安いことです。
どれぐらい安いのか、検討した高校を例に具体的な金額書きました。
授業料は年間9,000円(1単位あたり336円程度)←就学支援金で実質無料となります。
入学金は500円←県立高校からの転入は無料。収入証紙で納めます。
大きいのは教科書代で15,000円ぐらい。これは全日制でもかかりますよね。
その他諸経費を含めても4万ぐらいで済みます。
制服もなく、タブレットなどの別途購入もないです。
オンラインではなく、紙のレポート、郵送が主流です。
追加費用はレポート郵送代、交通費(学割あり)ぐらいです。
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同じような通学日数の場合でも、私立だと年間20万以上はかかります。
通学コース、進学、専門コース、サポート校であれば100万以上に跳ね上がります。
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高校卒業が目標なら、この安さは本当に魅力なんですよね。
例えば、今は経済的に私立に進学することは難しい。
働きながら卒業、大学のためのお金の余裕を残したい。
高卒資格と割り切り、塾や予備校、家庭教師などにお金をかけて大学受験の勉強をしたい。
学費の安さを活かして、もっと先を目標にできます。
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それでも、就学支援金の拡充によって、公立と私立の差が以前よりは少なくなったんだよね。
1単位の差は大きい。私立だと8000円程度、卒業までに74単位分必要です。
この授業料分が無償化になり(年収と単位価格によります)、私立も検討しやすくなりました。
公立通信制高校のメリットとデメリット
ここまで調べたことをまとめてみました。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
学費 | とにかく安い 年に4.5万 | なし |
卒業について | 高校卒業資格がとれる | 3年以上で4年の場合も 卒業率が低い(約4割) |
入学について | 作文や面接のみ 学力試験がなく入りやすい 年齢、職業の制限なし | 県の居住者、勤務地がある人のみ(狭域) 随時受け入れていない |
スクーリング 学習体系 | 日数は少なく、県内で受講 PC、タブレットが必須ではない | 基本は日程、曜日固定 午後からなどの配慮が難しい オンライン化があまり進んでいない |
学校行事 | 最低限でいい | 選択できるイベントが少ない |
交流 | 幅広い年齢層と交流できる 刺激となる。 | 同世代の友達ができにくい |
特色 | 仕事をしながら通いやすい | 進学・専門コースが少ない。 サポート体制があまりない。 教員が少ない |
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私立だと、行けなくて高い学費を払い続けることになると経済的にだけではなく、精神的にも負担となります。
心身の状態で通えない状況の場合、プレッシャーとなります。
親はもちろんですが、子どもも申し訳ないと思います。
募集した中に、親子で公立通信制高校を卒業した体験談があったので紹介します。
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小学生の頃から学校が合わず、6年間とも年間30日以上学校を休んでいました。いわゆる不登校状態です。
中学校に入っても同じだったのですが、3年生の秋に重度の鬱病を発症しました。
結果、学校にはほぼ行けなくなり卒業後すぐの高校進学も諦めました。
ただ、母が昔通っていた通信制高校が通学圏内だったので興味を持ち2年遅れて公立の通信制高校に入学できました。
受験はなかったのですが、入学後学校でのレポートは少し苦労しました。
先生に聞いたり友達に教えてもらい、サポート校に通わなくても3年で卒業できました。
心配だった体育の授業も優しい先生でよかったです。
様々な背景を持つ友人ができ、文化祭で舞台に立てるまでに回復しました。
1年生から2年生に上がる春休みには授業前のアルバイトも始め、卒業後しばらくまで続けられました。人生初めての就労です。
学校では先生とも仲良くなり、一緒にラーメンを食べに行ったり、遠くに住む友達の家を訪ねたり、それまでには考えられなかったほど行動範囲が広がりました。
社会科の先生がフランス語の同好会を開いてくれて友達と参加しました。
その友達はフランスで音楽家になり、自分はフランス人と結婚して今に至っています。
40歳頃に発達障害がわかり、今は年金と就労継続支援A型の賃金で夫婦二人で暮らすことができています。
まとめ|長い目で見た選択肢の1つ
公立と私立の違いは学費と通っている生徒層、目的です。
仕事をしながらも通いやすいような日程、最低限の行事となっています。
今の娘の状態と希望には合わなかったけど、それでも選択肢が増えたように感じました。
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知識があることは安心感につながりました。
【追記】その後、私立の通信制高校に進学しました。
もし、また通えなくなった時、転編入先の1つの選択肢として考えています。
通信制高校の体験談の中には公立の通信制高校も多かったです。
今、大人になっている方に聞いたからということもありますが、以前は私立がこんなになかったからですよね。