聴覚情報処理障害(APD)と不登校|聞こえるけど聞き取れない
娘は、よく耳の違和感を訴えます。
でも、何度か耳鼻科で鼓膜の状態、聴力の検査をしていますが異常はありません。
APD(聴覚情報処理障害)って知っていますか?
この記事では、聴覚が過敏な娘のこと、そしてAPDについて書きます。
聴覚過敏について
娘は不登校となってから、どこへ行くにもイヤフォンやヘッドフォンを持っていきます。
5分のスーパーへ行くのも、車に乗った瞬間にヘッドフォンをします。
好きな音楽を聴きたいのもあるんだけど、それ以上に周りの音が気になるようです。
そういう時は遮断する。自己防衛ですね。
ステッカーがあります。自由にダウンロード、印刷ができます。
参考元:株式会社石井マーク
イヤーマフ、子ども、学生用もあります
理解があり、学校で使っている子もいます。
ノイズキャンセリング機能、騒音カット機能付き
嫌な音だけ遮断し、必要な音と空気は通す
不登校となり、医師に、幼い頃に音に敏感だったか聞かれました。
確かに幼稚園に入るまで、音にとても敏感な子でした。
車が多い道路の隣の歩道の散歩は嫌がりました。
トイレのエアータオルの音、掃除機の音など、ものすごく怖がっていました。
成長するにつれて言わなくなったし、私も気にしなくなっていました。
不登校となって、しばらくしてから教室のざわつきが苦手だったと言いました。
ずっとそうだったかというと、違う気もするんです。
もともと敏感だったけど、不安が強くなってから、この症状も強く出るようになった感じですね。
感覚過敏は聴覚だけではなく、視覚、味覚、嗅覚、触覚など、子どもによって抱えている困り感は違います。
いくつも抱えている子もいます。
学校での過ごしにくさ
学校の聴力検査では再検査になったことはないし、家族との会話でも違和感を感じたことはありません。
娘が訴えた内容は
- 聞こえるけど聞き取りにくい。
- 何を言っているのかよくわからなくて聞き返してばかり。
- マスクをしてると口の動きが見えないから不安。
- どこから聞こえるのかはっきり見えないと不安。
- 一対一、今から話す、そうじゃないと聞き取りにくい。
学校は集団生活なので、一度に何人も話すことは多い。特にグループ活動はそうですよね。
教室内は休憩時間、近くの子と話していても遠くではザワザワしています。
先生の話、授業も聞き取りにくい。学力にも響いてきます。
翌日の持ち物など大事な部分を聞き取れなければ忘れ物となります。
聞き取れないって不安だと思う。そして、緊張感の中で過ごし、人一倍疲れるんです。
他にも、嗅覚・味覚であれば給食にも影響します。
触覚だと、制服・体操服など肌触りもこだわります。
うちの娘はどれもあります。
ギフテッド、発達特性のある子に多いと言われています。
理解がないと、こだわりが強い、わがままや躾の問題と思われてしまいます。
すずらんさんのブログに、とても詳しく感覚過敏について書かれています。
また、ギフテッドのお子さんと不登校、学校生活やについて参考になる記事がたくさんあります。
第55回NHK障害福祉省・第1部門優秀賞・山田永菜さん
小学一年生のお子さん、当事者が感覚過敏について語っています。
聴覚情報処理障害(APD) の可能性
これだけ訴えるんだから、検査ではわからない部分に何かがあると思いました。
心が不安定な時にこうなります。心身症の1つに心因性難聴という病気もあります。
ただ、検査で異常なしなので これは違うと言われました。
そして、調べた時に気になった症状を見つけました。
聴覚情報処理障害(APD)です(診断されたわけではありません)
簡単に言うと、聞こえてるけど言葉として認識できない。耳の問題じゃなくて脳の問題。
耳鼻科で、この症状を訴えた時、みんなそう、気にしすぎって反応でした。
聞こえているから問題がないと判断されます。
これ、私自身もそうです。よく、人の話を聞いてないって言われます。
何回も聞き返します。面倒な時は適当に話を合わせたり聞き流していました。
ADHDの人に多いと言われています。
派遣でいろんな仕事をしてきたけど、電話、オペレーターの仕事が苦手でした。
周りがざわざわしていると聞き取りづらい。飲み会もそう。
聞き取りながらメモする。二つのことを同時にしようとすると さらにできない。
アルバイトでウェイトレスも。当時はオーダーが手書きで これも苦戦しましたね。
周りがあっさりとできることが不思議でした。
娘は私と違って、ものすごく気にして困っています。
それに聞き返すことも苦手。なかなか言えない。
チェックリストが掲載されています
APDと不登校の関係
娘は不登校となる半年前ぐらいから耳の違和感を訴え始めていました。
音の影響も、学校が無理しないといけない場所になった要因の1つです。
だから、このAPDも不登校の背景にあるのではないかと思います。
起立性調節障害と不登校は関係があると言われていますが、このAPDはあまり知られていません。
共通するのは、周りから理解されにくいことですね。
NHK未来スイッチ|APD の再現動画と漫画
NHKの未来スイッチ!でAPDについて特集をやっていました。
学校でのサポート
学校での対処法について引用します。
音の受信機。先生がつけているマイクを通して、声が直接、耳の受信機に届くようになっています。
これで、わかりづらかった授業も、理解できるようになりました。「話す時はゆっくり、はっきり話してください」「話し始める前に手をあげてもらえると、聞き取りやすくなります」
引用元:NHKの未来のスイッチ!
困っていることを周りに理解して助けてもらう。
まずは、苦手な部分を知ってもらうことからですね。
視力が悪い生徒に『眼鏡をかけるな』と言いますか?
— ゆず姉 (@ikeike3103) March 15, 2023
聴覚に障害のある生徒に『補聴器使うな』と言いますか?
感覚過敏の生徒が『ヘッドホンを使わせてを欲しい』と言う願いは何故受け入れてもらえないのでしょう?
音楽を聴いているのではありません
不快な音をヘッドホンで遮断しているのです
感覚過敏の子のヘッドホン利用について。
学校が却下したというツイート。
合理的配慮が理解されていない。
漫画と動画
未来スイッチで紹介されていたエッセイ漫画です。イラストだとわかりやすいです。
実際に音として聞くのは初めてです。
部分的に ささやき声のような消えていくイメージなのかなと思ってました。
この動画だと、話している内容がプツンと途切れているんですね。
これじゃ内容がつながっていかない。思った以上に不便だと思いました。
最後に
娘の不登校により、「気にしすぎ」ではない 「生きづらさ」を知るきっかけとなりました。
周りが思っているよりも本人は困っているんですよね。
知らなくても済む場合もありますが、工夫する方法を知ることによって、少しでも生きやすくなったらと思います。