起立性調節障害の仕組み、症状、検査、心身症と発達障がいの関係について

起立性調節障害の症状
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娘は起立性調節障害OD(Orthostatic Dysregulation)と診断されました(中2の12月)

オーバードース(overdose)もODと略されますが過量服薬のことで別です。

また、OD錠(Oral Disintegration)は口腔内崩壊錠のことで、口の中で溶かす薬です。

起立性調節障害の薬でもOD錠があって、最初 ODの薬のことだと勘違いしました。ややこしいですね。

前回、起立性調節障害のアンケート結果の記事を書きました。

この病気を知らない人はまだまだ多いです。正しく知ること、説明することは本当に難しいんですね。

そら

娘の症状は、あくまでも1例です。
子どものために調べた情報として参考に読んでいただけたらと思います。

ぜひ読んでいただきたい体験談です

応援しています

もくじ

起立性調節障害の原因、検査、診断について

どうして起きるの?

起立性調節障害には4つのタイプがあります

  • 起立直後性低血圧(INOH、起立直後に血圧低下)
  • 遷延性起立性低血圧(OH、起立数分後に徐々に血圧低下、失神)
  • 神経調節性失神(NMS、急激な血圧低下、失神)
  • 体位性頻脈症候群(POTS、起立時に頻脈、心拍数の増加)

血圧心拍数が関係あるとわかります。

起立時(立ち上がる、身体を起こす)、長時間立っている時に、重力で血流が頭から下に流れ、脳に血液がいかなくなります。そうすると血圧が下がります。

血圧や心拍数をコントロールしているのは自律神経です。

自律神経には2つのタイプがあります

  • 交感神経(活動)
  • 副交感神経(休息)

2つが日常生活で無意識にバランスをうまくとっています。

起立性調節障害は自律神経系の病気で、バランスが崩れることで起きる循環器系の疾患です。
起立性調節障害は病気なので病欠です。

そら

気のもちようではないけど、心理的なストレスが関係あります。
ここが難しいですよね。

ストレスがかかれば自律神経がさらに崩れ、悪化します。
体調不良が続けば心理的な負担が増えて、精神疾患に繋がることもあります。

楽しいことはその逆です。ただ、そのあとに反動があります。
身体はやっぱりしんどいんですよね。

心理面だけではなく、気圧、気温など天候の影響も受けます。

そら

子どもの血圧ってどれぐらい?

下記の記事が子どもの血圧と起立性調節障害につれて触れていました

12歳頃の基準値が75~115mmHg。

子供の血圧が前項で述べた基準値よりも低い場合に見られる代表的な症状として、起立性調節障害があります。

このうち、低血圧が関係している代表的なものとしては「起立直後性低血圧」が挙げられ、起立直後の血圧が最高でも40~50mmHgにまで落ち込みます。発症すると立ち上がった直後に強い立ち眩みを感じる他、立ち上がって30秒以上経過しても血圧が上昇せず、不快な症状が続くのが特徴です。

「小心臓」が関係あると言われた話をフォロワーさんから聞いたことがあります。

何科で検査や診断を受けるの?

娘の場合は小児科で問診(症状)と新起立試験から診断されました。
(血液検査、尿検査など他の検査も一通りしましたが異常なしでした)

新起立試験とは?

一定時間横になり、起き上がり血圧と心拍数の変化を計測します。

イラストつきの解説でとてもわかりやすいです

2023/3/27発売、こちらが新しいです。

ヘッドアップティルト試験(HUT)とは?

ティルト台に寝て、自動的に角度を変えて血圧、心拍数の変化を計測します。

そら

どこの科を受診するの?

思春期(小学校高学年~18歳)、身体や心が急激に変化する時期に発症します。
とても大切な時期に発症し、すぐに治る病気ではないんです。

小児科の詳しいサイトが多いです。ただ、小児科の初診は15歳までが目安です。
日本小児科学会では成人までと書かれています。

(娘の場合は13歳の時に小児科で診断。16歳まで小児科にかかっていました)

15歳以上で発症(気づく)も多いです。

小児科以外ですと、
内科、循環器内科、心療内科、神経内科、脳神経外科、思春期外来、耳鼻科、睡眠外来
あたりになります。それだけ症状がさまざまです。

午前中の診察が受けられない状態の時は、1泊入院で検査をする病院もあります。

そら

まずは、予約が取りやすく、検査が可能な病院へ。
一番困っている症状の科、もしくは かかりつけ医に相談して紹介状をもらい、総合病院を受診するのも1つの方法です。

娘は、かかりつけの内科から紹介状をもらい、総合病院の小児科に転院しました。
総合病院ですが、午後の予約枠でした。

心療内科と精神科の違いがよくわからなかったのですが、こんなツイートを見ました。
(精神科医が説明しています)

なりやすい子とは?

どんな子でもなりますが、よく言われているのが、

まじめ、繊細、周囲の目を気にする子…これはストレスを受けやすいからです。

運動不足で筋肉量が少ない痩せ型の子…これは下半身の筋肉が脳へと血流を上げるためにポンプの役割を果たすからです。

女性の方が多いと言われています…生理でホルモンバランスが崩れることも関係あります。

他には小食、水分や塩分をあまり取らない、栄養が十分取れていない子。もともと睡眠が少ない子。

成長期に自律神経の影響を受けやすい子ということですね。

そら

娘は あてはまります。
でも、運動が得意で部活で活躍していた子もなります。
男の子にも多い。明るく、活発、学校が大好きだった子も。
だから一概には言えないんです。

下記に紹介するnoteは、起立性調節障害の子のお母さん(フォロワー)が書かれた記事です。
水泳の選手として運動もしっかりとしていた男の子が、新起立試験、HUT試験で起立性調節障害(体位性頻脈症候群(POTS)重症)と診断。
脳血流量のグラフも公開、とても細かく経過が書かれています。
記事を読めば、気持ちの持ちようではないことがわかっていただけると思います。
娘とは全く違うパターンです。心因性ではありません。
起立性調節障害にもいろんな例があることを知ってほしいです(ご了解を得て紹介しています)

起立性調節障害と起立性低血圧って違うの?

医療サイトによっては起立性調節障害(起立性低血圧)と書いています。説明や治療法についても同じですね。
低血圧じゃないタイプもあるし、一般的には起立性調節障害と言っています。

そら

海外では起立不耐症(OI:Orthostatic Intolerance)と言われています。

症状が似ている病気について

起立性調節障害だと思っていたら、違う病気だったり、他の病気を併発していることもあります。

脳脊髄液減少症、慢性疲労症候群、血糖調節障害、過敏性大腸症候群、機能性ディスペプシア、甲状腺機能異常、うつ病、貧血など。

実際、起立性調節障害と診断される前に上記の病名を言われたこともあります。
その時から起立性調節障害だったのかもと後から思いました。

治療してもなかなか良くならなくて、調べて もしかしてこれ?と医師に聞いたこともあります。
知識として知っておくといいと思います。

具体的な症状は?

子どもが訴える不調、全部が症状です。

よく聞く症状

  • 起きることがつらい
  • 起きてから動けない
  • 寝つきが悪い
  • 立ちくらみ、ふらつき(めまい)、失神
  • 動悸、息苦しさ、胸の痛み
  • 吐き気、腹痛、食欲減退
  • 頭痛
  • 微熱、だるさ、倦怠感
  • 記憶力、思考力の低下
  • 乗り物酔い
そら

診断された当時の様子を書きます。

微熱が続いていました。特に首の後ろが熱いと言っていました。
体温を測ると37.0~37.5の間。足は冷たいんです。

風邪気味かなと思っていましたが、あとから医師に緊張状態からの微熱だと言われました。

この記事を読んだとき、娘のことだって思いました

引用すると、この部分です。

慢性的にストレスフルな状況が続く中で、38度前後の微熱が持続するタイプ。仕事や家事、育児、介護など複数のストレスが重なって生じることが多く、成人によく見られる。自律神経が乱れやすい思春期の患者では、朝起きられないなどの症状を訴える起立性調節障害を併発しているケースも多いという。

引用元 時事メディカル

特に、朝、午前が体調が悪い。だから起きあがれない。
動けないんです。寝起きが悪いのとは全然違います。
そして、午後から夕方にかけて回復していきます。

娘は、小学生高学年の頃から、立ち上がるときに目の前に砂嵐が出てきたり、ふらつく。
午前中やお風呂の後に気持ち悪いのもあたりまえになっていたと話しました。

でも、午後から良くなっていくから大丈夫だと思っていたって。
まだ、子どもなんですよね。うまく自分の症状が伝えられない。

親も、学校から帰ってくる頃には元気だから大丈夫だと思う。気づきにくい。
小学生の頃に、午前中の吐き気で病院を受診していましたが別の診断名でした。

そら

なんとなくやる気がでない。めんどくさいから動けない。
これも症状、正直な気持ちだと思います。

学校がない土日は元気になる。ストレスや罪悪感がないからです。
これを聞くと、さぼってる、なまけていると思いがちですが違うんですよね。

重症度も様々で、一日中横になっている子、入院治療をしている子もいます。

当事者(子ども達)の発信情報まとめ

そら

当事者の発信が一番伝わると思います。
私も参考にしたいので見つけたら記録していきます。

令和4年度「心の輪を広げる体験作文」佳作
起立性調節障害の体験談を語っています。
目に見えないものを支えるということ
齋藤香音(二戸市立福岡中学校3年岩手県)

note

書籍、エッセイ漫画

漫画で字も大きく読みやすいです。

映画

更年期障害と似てる?(思春期娘と更年期母)

50代に突入した私、更年期ですね。上記の症状のいくつかがあてはまります。

娘は初潮の時期に発症しました。私は閉経の時期に。
逆なんだけど、ホルモンバランス、自律神経が崩れるのは同じです。

これも気の持ちようじゃないです。自分の身体じゃないほどの不調です。
今は婦人科、漢方外来で治療をしています。

似ていると書かれているサイトがありました

学校生活で困ること、体験談紹介

起立性調節障害は病気、体調不良なので病欠です。
不登校の定義にはあてはまりません。
(そこから二次障害で行けなくなった場合は不登校となります)

今までどおり学校に行くことが困難になる病気です。

そら

具体的に学校生活でどんな風に困るかを書きます。
少しでも想像していただけたらと思います。

朝起きあがることができない。意識を失ったように昼まで起きない時期もありました。

起床時、午前中にふらつき、だるさ、吐き気、腹痛、頭痛を訴えます。

朝食が食べられない。腹痛でトイレから出られません。

乗り物に酔います。通学に支障がでます。遅刻、欠席が増えます。

娘の場合は給食の時も気持ち悪かったと言っていました。

授業は思考力が低下、ぼーっとしている状態なので頭に入りません。

体育の実技も思うように動けません。

持久走がつらかった、シャトルランは吐いたと言っていました。

朝が早い時間に始まる行事の参加も難しくなります。

今までできたことができないことで自己否定感が強くなります。

学校に行けないことで罪悪感を持ちます。

この状態を周りに理解してもらえないと、さらに追い込まれていきます。

進路を決めなければいけない時期と重なれば、進路に影響が出ます。

そら

娘が、学校は無理しないといけない場所と言っていました。

募集した体験談の中にもあったので紹介します

朝が起きれず、昼ぐらいに起きる事になり、夜が眠れなくなり、また朝が起きにくいという悪循環に陥っていました。
 欠席や遅刻の多い自分は社会に出ても適応できないだろうと将来に対してとにかく不安でした。

小学校高学年のころから起立性調節障害の症状があり、中学2年生のころ症状の悪化に伴い学校に通えなくなりました。

当時、通院をしながら適応指導教室への通学を希望したのですがなかなか許可がおりず、結局個人経営の塾で勉強を進めることになりました。

進学はサポート校と連携していた通信制高校を選びました。面談と作文のみの受験でしたので不安だった学力の面はクリアできました。

進学後は、レベル別授業で得意な数学は1年生の時から受験コースを受けさせてもらえました。苦手だった英語は中学校の復習クラスに参加しており、科目ごとにレベルを選べることがとてもよかったです。

たくさんの資格試験に挑戦する機会があり、在学中に取得した資格は履歴書にびっしりと書けるレベルです。私はその後通信制大学に進学しました。

通信制高校でレポートなどのタスク管理が身についていたため大学でもあまり困ることはありませんでした。

今は通信制大学に通いながら在宅ワークの基盤を築き、自分の体調を最優先できる環境を整えています。

起立性調節障害の子のお母さんが書いてくださった体験談

起立性調節障害の当事者、定時制高校に進学した体験談

心因性と発達障がい|単純型と複合型

ODは自律神経の病気ですが、心の影響を受けると何度か書きました。

最初は身体的症状のみ。自律神経が乱れたら起きます。

後から、学校に行けないことの不安や罪悪感、心理的要因で悪化したり、二次障害も起きることがあります。

娘は起立性調節障害と診断された後に不安障害も診断されています。

不安が強くなったことで、今までできたことがどんどんできなくりました。

電車に乗ったり、外出などもできなくなり、だんだんとひきこもっていきました。

これは二次障害で、とても長くかかると言われています。

後から娘の話を聞くと、教室のざわつきだったり、苦手なことが多かったことがわかりました。

そら

娘の言っていた「学校は無理しないといけない場所」の意味は、身体症状だけではないんですね。

身体症状、体調面だけであれば、回復してきた午後に遅刻して行ける子もいます。
私も、最初の頃は保健室を利用したり、遅刻をしてでも学校へと思いました。

娘の場合は、どうしても教室に入れなくなりました。
過呼吸となりパニックになります。それほど怖いんです。

発達障がいも指摘されたことはなかった(ただ、育てにくさは感じ、心配で相談したことはあります)

だんだんとわかってきたことなんです。

背景に発達障がいがあり、心理的なストレスが限界に達した思春期に起立性調節障害を発症、悪化させた。

そう医師に言われました。ODの中でも複合型と表現されることもあります。

複合型について書かれている記事
不登校特例校の岐阜市立草潤中学校で「こころの校医」をしている医師です
不登校=起立性調節障害という誤解。

最初は理解できなかったけど、今は腑に落ちます。

別の病院ですが、娘の主治医が説明したことが書いてあります。

奈良県総合医療センター 小児科 起立性調節障害(OD)

特に5ページ目の心身症と発達障がいについて。
学習面だけは違いますが、あとは娘に起きたことそのまんまです。

心身症と二次不安。音に敏感、自分で決めることが難しい。
完璧主義で行くか行かないかの選択しかない。0か100で中間がありません。

以前、起立性調節障害についてのYahoo!記事、多くのコメントの中に まるで自分が書いたかのようなコメントを見つけました。

起立性調節障害はメンタルも崩壊する。
最初は小児科だったが不登校となり、心療内科で適応障害、発達障がいグレーの診断がついた。
一番つらいのは主人や祖父母が娘のことを理解しないこと。母娘だけで苦しんでいる。

まさに、当時の私と娘でした。

まとめ

私自身も長い時間をかけて ここまで理解しました。
当事者や家族以外の人が理解するのは とても難しいです。
(家族内でも夫婦、祖母と温度差がありました)

でも、関係ない人にも知ってほしい。想像してほしい。
今通っている学校、その先の進路について不安の中にいます。

難しい病気だからこそ、どうか慎重に発言をしてほしい。
学校、社会全体と理解が深まり、子ども達が少しでも不安なく、過ごしやすくなることを願っています。

そら

娘の症状はあくまでも1例です。
知るきっかけになれば幸いです。

上記の記事で紹介されているガイドラインです。

岡山県の起立性調節障害ガイドライン、素晴らしいです。病気の説明、チェックシート、医療機関、相談窓口まで全部載っています。
こうやって教育委員会と医療が連携したガイドラインがそれぞれの県にあるといいですね。

この記事で、子どもの頃の起立性調節障害、発達障害について触れています。
著名人で告白されているのはとても珍しいです。理解がされなかったと言っています。

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