このブログでは、娘が通信制高校に進学したので、通信制高校の体験談や情報が多いです。
募集した中に、不登校から定時制高校に進学した体験談もありました。
以前は、定時制高校は仕事をしている人が夜間に通う学校のイメージでした。
定時制高校も、ここ数年で通信制と同様に多様化してきています。
昼夜間、普通科以外のコースもあります。
現在は、起立性調節障害の子、不登校の子の全日制高校以外の選択肢として注目されています。
そこで、今回は現役の定時制高校生にインタビューしてみました。
【インタビュー企画第四弾】になります。
また、インタビューの前に、定時制高校の仕組みや特徴についても紹介しています。
- 第一弾 通信制高校生(N高)のお母さん
- 第ニ弾 現役通信制高校生
- 第三弾 オンラインの通信制高校の合同説明会主催 リクメディア代表取締役
定時制高校の仕組みについて
インタビューの前に定時制高校の基本情報と最近の変化について少し触れますね。
仕組みを理解した方が体験談がイメージしやすいと思いました。
公立・私立の通信制・定時制高校が都道府県順に一覧となっています。
授業時間、入学時期、募集人員、試験日、選抜方法、学費や特色など、わかりやすく掲載。
全日制高校以外の選択肢を調べるのに役に立ちます。
定時制高校の特徴
簡単ですが、知っておくといいポイントを書き出しました。
- 定時制課程を設置している高等学校
- 単置(全日制過程なし)・併置(全日制過程あり)
※通信制課程があっても、全日制過程がなければ単置 - 夜間定時制(夜間のみ授業)
- 昼間定時制(昼間のみ授業、一部制と二部制がある)
二部制は朝・昼。 - 昼夜間定時制(昼間部と夜間部の二部制・昼間部二部と夜間の三部制がある)
三部制は朝・昼・夜。
調べると四部制もあり、朝の時間帯が早めと遅めがあるようです。
フレキシブルスクールのように幅広い時間帯もあります。 - 学年制と単位制がある。単位制の卒業要件は通信制と同様。
- 基本は4月入学(2月入試)、もしくは4月と10月。
- 4年卒業でカリキュラムによっては3年も可能
- 入試に学力試験があることが多い。
- 公立が多い。
- 生徒の年齢層も様々。
- 住まいの県、勤務地がある人が対象
学年制と単位制の違いや留年、卒業要件については通信制高校についての記事で説明しています
全日制高校や通信制高校との違い
基本は全日制高校と同じで、平日に週5日通学して授業を受けます。
通信制高校でも全日型(週5日)やサポート校がありますが、登校日数は週1~3日、年間20日程度、集中スクーリングなど様々です。
定時制高校は時間を選べる感じですね。
夜間(だいたい17時以降~)でしょ?選べるってどういうこと?
って思われた方もいるでしょう。昼間定時制と昼夜間定時制があります。
全日制高校だと朝早くから夕方までの一斉授業となります。
4時限など短めに設定されており、全日制高校よりも時間に余裕ができます。
起立性調節障害の子の中には、午後からなら通学が可能な子も多いです。
女の子で夜間は心配という声も聞かれました。
今は、お昼の時間帯に通っている子も多くいます。
卒業年数は?4年?3年?
4年卒業が基本です。学年制であれば4年となります。
今は単位制が多く、カリキュラムの組み方によっては3年で卒業できます。
学校外の単位を取る方法として、高卒認定試験や資格を振り替えることができる学校もあります。
また、定時制高校課程との併修可能な通信制高校もあります。
下記は愛知県の例ですが、全日制・昼間定時制・通信制(単位制)の3課程を一つの学校内に設置。
3課程間をフレキシブルに行き来して学べる新しいタイプのフレキシブルハイスクールを2025年4月開設予定。
公立が多く、費用が安い
通信制高校は公立より私立が多いのですが、定時制高校はその逆で公立が多いです(約9割)
公立の全日制高校に併置されている学校が多いです。
2019年(令和元年)度の全国の定時制課程の高等学校の総数は、639校(うち単置校が168校、全日制併置校が471校)
引用元:ウィキペディア
公立の通信制高校は土日のスクーリングが中心となりますが、定時制高校は平日に授業が行われます。
公立は学費が安いことも魅力です。
(下記は愛知県の例です。目安として紹介しました。インタビューとは関係ありません)
開始時間が遅く、1日の授業時間も少ない。
単位制で時間割が自由に組みやすく、留年がありません。
起立性調節障害の子や中学まで不登校だった子も、無理なく通いやすい環境です。
次からはインタビュー形式で定時制高校について紹介します。
ハンドメイドやイラストなど多才、家族想いの優しい子です。
時間を趣味や才能を伸ばすことに活用できるのも、定時制高校の魅力ですね。
作品、ほんとに素敵なので紹介します♡
定時制高校に決めるまで、受験について
——定時制高校を進路に考え始めた時期はいつ頃ですか?
全日制高校、通信制高校と迷いましたか?
母と塾の先生から勧めてもらった学校で、中3の夏頃に考え始めました。
最初は私立の通信制高校と迷っていましたが、色々な学校説明会へ行き、今の学校のしっかりとしたカリキュラムや先生、生徒の様子などの校風にビビッときたので決めました。
——最終的に決め手となったことを教えてください。
学校説明会と個別相談会のどちらにも参加して、そこでの先生や生徒の対応が丁寧だったのも決め手のひとつです。
——入試はどうでしたか?学力試験や面接は大変でしたか?
年々、不登校の子が増え続けていますが、昨年の倍率はどうでしたか?
最初 模試では数学で15点を取り、決して楽とは言えない道のりでしたが、今となっては努力して本当に良かったと思っています。
面接は配点が高いので、学校や塾の先生とたくさん面接練習をしました。
部によって倍率が違ってきますが、全体の倍率は年々高くなっているようです。
わたしの年はちょうど2倍ぴったりでした。
——中学校の先生と面接練習をされたんですね。
中学校から定時制高校の情報はもらえましたか?
中学からは情報はもらえませんでした。
でも志望校を決めたら徹底的にサポートをしてくれました!
通学スタイルや校風について
——どのタイプの定時制費高校、どれぐらいのペースや時間で通学していますか?
学割(定期券)は利用していますか?
わたしの定時制高校は、公立の昼夜間多部制(単位制)で、お昼からの授業に毎日通っています。
定期券も利用しています。
——校則はありますか?校風、先生の雰囲気はどうですか?
不登校や起立性調節障害に理解はありますか欠席連絡は必要ですか?
校則はありません。校風はとにかく自由です。
先生たちは不登校や起立性に理解があり、1人の人間として対等に扱ってくれます。
欠席する時に連絡は不要です。
——行事はありますか?
あります。行事の参加は全て任意です。
——給食はありますか?
給食は夜にあります。お昼はないです。
わたしは食べたことはないのですが、美味しいと聞きました。
——生徒の年齢層や男女比はどうですか?
仕事(アルバイト)をしている子は多いですか?
10代が多いです。時々10代以外の生徒も見かけます。
男女比は何部かによっても様々ですが、全体的に見ると1:1です。
バイトをしている生徒も多いです。わたしの友達は半分くらいしています。
みんなとても素敵な人柄なうえに面白くて、友達や先生と毎日たくさん笑い合っています。
授業やテストについて
——タブレットやスマホ、パソコンを使うことはありますか?
授業中にスマホでの調べ学習をする授業もあります。
普段はteamsのアプリをスマホやパソコンにダウンロードして、連絡事項を見たり課題を提出したりします。
——教室内の人数はどれぐらいですか?どのように授業は進みますか?
不登校だとついていけるか心配な子もいると思いますが、学び直しはありますか?
体育の実技はありますか?
人数が多い授業も少ない授業もあります。最大で30人ほどで、少ないと1桁の時もあります。
授業形態は一斉授業です。
学び直しはありませんが、先生によっては中学の内容をおさらいしてくれます。
授業のレベルを選べるものもあるので、自分に合った難易度の授業を受けられます。
体育の実技授業もありますが、とてもゆるっとしています。
——テストは難しいですか?再試験・追試等の救済措置はありますか?
テストの難易度は先生によっても様々ですが、基本的に授業をしっかり聞いていれば解けます。
先生に相談すれば追試も受けられます。
——卒業は4年予定ですか?
最初は4年予定で時間割を組みましたが、今は3年予定で授業のコマを増やしていこうと思っています!
定時制高校のメリット、戸惑ったこと
——入学して良かったと思ったこと、定時制高校の魅力を教えてください。
定時制ならではの、とにかく自由なところが大好きです。
朝早くから始まらないように時間割を組んだので、朝が苦手でも通えています。
また、校則に縛られるのが嫌だったので、好きな髪色や服やネイルをして学校に行けることがとても嬉しいです。
自分のために使える自由な時間も多いので、バイトや趣味などにあてることもできます。
その後、働くことが夢だったお店のアルバイトに合格したって嬉しい報告がありました。
——戸惑ったことはありましたか?
自主自立が求められることです。
先生たちはいい意味で生徒たちに干渉しないので、宿題もあまり出ないし、テスト勉強などもサポートは無く、自分で計画を立ててやります。
最初は未来を見据えて自分で自分を管理する力が必要なことに戸惑いましたが、入学前よりも自己管理ができるようになり、成長を感じています!
これから定時制高校を進路に考えている子へメッセージ
——最後になりますが、これから定時制高校を進路に考えている子にメッセージをお願いします。
定時制は自分らしい人生を送れる、最高の学校です!
受験生の頃は少ししんどかった時もありましたが、今はあの時がんばってよかったと心の底から思っています。
こんなに楽しい日々が待っているなんて思いもしませんでした!
今受験生の皆さんは、プレッシャーなどで苦しくなりすぎないように、”心と体の健康第一”で頑張ってください!
きっと明るい未来が待ってます!!
小中学校の環境が合わなかっただけの子も多いです。
高校からは選択肢が広がります。
自分に合った学校、先生とめぐり合って変わった子も多いです。
楽しく笑顔で通学する様子が伝わってきて、こちらも嬉しくなりました(*^^*)
今回のインタビューは、私自身も定時制高校について知るきっかけになりました。
貴重なお時間を割いていただき、ご協力いただき ありがとうございました!
これからも応援しています。
他にも定時制高校の体験談を紹介しています
こちらは卒業後、大人になってから語った体験談です。
この体験談の中には定時制高校の先生だった方の話もあります。
起立性調節障害の体験談です